顔面神経麻痺|症状・原因・治療法

がんめんしんけいまひ
Facial nerve paralysis

特徴

顔の筋肉が動かなくなる、食べ物や飲み物が口から漏れてしまったり、顔が曲がったり、目が閉じにくくなる

原因

顔面神経麻痺は症候性顔面麻痺と、特発性顔面神経麻痺(ベル麻痺)のふたつに分類されます。
ストレスや疲れなど何らかの理由によって顔面神経に炎症またはむくみが生じることで神経が圧迫され、麻痺が起こるといわれています。
顔面神経麻痺では、表情筋の麻痺ばかりでなく、味覚障害、涙や唾液の分泌低下、音が響くなどの症状を伴います。

治療

基本的に薬物投与が行われますが、特発性顔面神経麻痺は原因が分かっていないものの、比較的治りやすい病気であり、症状が軽度であれば約1~2か月程度の保存療法で完治します。
麻痺が長期になった場合、顔面の筋肉が萎縮してしまい、回復しても元のように動かすのは困難になる事があるのでこれを防ぐため、当院では鍼やお灸などの鍼灸治療や適度なマッサージをして、血行をよくして筋力の維持・回復を促します。

鍼灸による東洋医学的アプローチ

顔には4つの経絡が流れていて、とくに顔面神経麻痺と関わりが深い経絡が、胃経いけいです。

思い悩むことなど、ストレスが多くなると胃(脾)を傷つけ、長期にわたると気血の流れが悪くなり、とくに経絡が表面に走行している顔に現れ、顔の筋肉が動きにくくなると考えられています。

治療では、患側かんそく(身体の左右の部位の患部のある側)の頬車きょうしゃ大迎だいげい攅竹さんちく(顔の経穴)に浅く置鍼ちしん補法ほほう)します。
また、承漿しょうしょうに糸状灸を5そう以上すると治りが早いです。

頬車(きょうしゃ)・大迎(だいげい)・攅竹(さんちく)・承漿(しょうしょう)

顔面神経麻痺の治療によく使われるツボ